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湊かなえ作品『リバース』を読みました!(; Д)゚ ゚イヤミス…パネェ… [読書]

6月ですね~♪
雨降りお天気だし、そんな季節はお茶を飲みながら読書でもして、お部屋でまったり過ごしませんか?[猫][本]


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『リバース』
著者:湊かなえ  出版社:講談社

あらすじ
深瀬和久は平凡なサラリーマン。自宅の近所にある“クローバー・コーヒー”に通うことが唯一の楽しみだ。そんな穏やかな生活が、越智美穂子との出会いにより華やぎ始める。ある日、彼女のもとへ『深瀬和久は人殺しだ』と書かれた告発文が届く。深瀬は懊悩する。遂にあのことを打ち明ける時がきたのか―と。

※ ネタバレ感想です!まだ読んでない方、ドラマで結末を見ていない方は御注意下さい!





●感想●
私は文庫版を読みました。
藤原竜也さん主演のドラマも放送中で今話題の作品ですね。
ドラマも観ているのですが、原作も興味深い内容と読みやすい文体で一気に読んでしまいました!♪
衝撃のラストは流石にイヤミスの女王!湊かなえさんです。
鳥肌立ちました・・・

この作品、ミステリー部分の描写も素晴らしいのですが、食べ物の描写が堪らないです。
夜の10時以降、小腹がすく時間帯に読んでしまってチョットだけ後悔しました[猫][かわいい]
主人公の深瀬和久たちは長野と新潟の県境にあるという斑丘高原へと車で旅行します。
その道中サービスエリアで堪能する、ご当地グルメの描写が素晴らしく美味しそうなのです!
先ず、辛みそを付けて食べる地鶏の唐揚げ!高原ミルクのプレミアムプリン!
更にはフランクフルト、みそおでん、メロンパンを次から次へと平らげる。
道中食い倒れツアーと化す大学生男子四人(°д°)[ハートたち(複数ハート)]
これだけ食べといて昼食には信州の水そば二枚目お代わりって!
(広沢だけは高原豚のカツカレー♪)
デザートに斑丘高原ミルクのソフトクリームまで!
これだけ食べたら夕食は控えめでいいや~・・・とかなりそうですが、大学生男子の食欲は侮れない。
夕食には全部で1kgはあると思われる、差しの入った高級牛肉と新鮮な高原野菜で鉄板焼きです。
しかも四人で五人分平らげた!(笑)
途中のサービスエリアで購入したという、タマエおばあちゃんの焼肉のたれが美味しそうで・・・
お前ら米は炊いたのか?米だよ白米食っとけ!
肉、野菜、白米、肉肉、野菜、白米、野菜のペースで食え♪
でも深瀬たちはご飯を炊かなかったんでしょうね。

食事中に皆がお母さんの作る御馳走の話をするのですが、浅見家のハンバーグ手巻き寿司!美味しそうでした・・・畜生!お腹空く![ぴかぴか(新しい)]
とんでもない飯テロ描写です[猫][ハートたち(複数ハート)]
不穏な空気流れる別荘で深瀬が作る、石窯焼きくるみパンのサンドイッチとハチミツ入りコーヒーも美味しそうでした。
読んだ次の日に堪らず手作りパンを焼いてサンドイッチ作りました。

この『リバース』という作品にはコーヒーの香りがよく似合いますね。
私もコーヒーを入れて読みました♪
でもこの食べ物の描写は重要な伏線だったのです。
ほんと凄い・・・


食べ物の描写だけではなく、主人公の深瀬をはじめ、登場人物の心情描写もすばらしかったです。
ここは深刻なスクールカーストの呪縛を感じさせます。
私は特に4章から広沢の幼馴染たちとの会話に引き込まれました。
上田麻友、吉梅あおい、古川大志、岡本翔馬の四人の描写で誰に一番共感するのか、読者は自分自身とも向き合うことになるのではないでしょうか。
私は吉梅あおいでした。
ここまで強くは無いし、脳と口が必ずしも直結するタイプではないですけれど。
吉梅あおいの言葉に共感し自然と涙が出ました。
広沢にあんなふうに助けられたら、そりゃ好きになるよ(´;ω;`)
あおいが語る広沢の言葉も今なら分かります。
自分の行いが悪いことで適切ではないと自覚している人に、それをわざわざ言葉で指摘するのって、時に状況を悪化させてしまったりする。
本人はたぶん分かっちゃいるけど止められないんですもん。
恥をかかされたことに対して意固地になって、何が何でも反論するんですよね。
悪いことだって自分で思っていても、引っ込みがつかなくなって何かしら理由を付けて自分を正当化し自分を守るというか。
それに対して悪いことを指摘する方も、同じように意固地になってしまうんですよね。
私は吉梅の気持ちも広沢の気持ちも分かります。
そのあと吉梅が広沢から離れたくないのに離れてしまう気持ちも分かるというか。
深瀬が自分と吉梅の色は違うけれど、似ているのかもしれないと思う辺りにも共感しました。
ここでも生クリームと苺ソースのかかったパンケーキ(ホットケーキ)の描写は最高でした!食テロ!

それにしても岡本の鼻持ちならない嫌な奴感が凄い(笑)[猫][黒ハート]
地元では最強レベルって、こういうことなのか。
言葉に強烈な優越感と劣等感が見え隠れしてるような。
スクールカーストは上位だったみたいだけど、社会人になった今はどうなんだろう。


古川と深瀬が会話する場面も好きです。
読んでいると何時の間にか二人が融合して、一人の大切な友人を思い涙する姿に胸がつまります。
今まで一度も会ったことのない古川と深瀬の距離がどんどん縮まる。
ここの二人の会話がその後、美穂子との会話を感動的なものにする流れも素晴らしかった。
深瀬、古川、美穂子の広沢に対しての思いが、広沢という人物への切ないほどの愛が言葉から伝わってきます。
地位が上だとか下だとか、自分よりも優れてるとか劣っているかなんて関係なく、その人が好きか一緒にいて居心地がいいかで人と付き合うことが出来れば、これほど楽なことはないと思いますが、なかなか現実はそう上手くいかないです。
それで愛する人を傷つけてしまうなんて。
とても苦い気持ちにさせます。


吉梅あおいだけではなく、深瀬、古川、美穂子、広沢、この五人が全員私の心の中に存在するような気持ちになりました。
そう考えると岡本とも繋がっている様な気もする。優越感や劣等感、誰かを羨んだり下に見て安心するようなのって、結構誰の心の中にもあるような気がするから



※ ここから結末に触れた更にシャレにならないネタバレしますので御注意下さい!










この作品の『リバース(reverse)』というタイトルですが、意味は『逆、反転、逆行、裏』なので、読み始めた当初はもしかしたら広沢を殺した犯人は一番犯人らしくない人なのかな・・・と思っていたので、「まさか深瀬?まさかね~」と大した確証もなく漠然と思っていました。
後は広沢由樹という人物には裏があったりとか・・・
もう終章で『蕎麦の花のハチミツ』が出てきたところで、うわああああ!!となり一気に鳥肌が立ちました((((;゚Д゚))))
凄いですね、もうあんな前から伏線が張り巡らされていたとは。
広沢の実家で父親が食卓に並んだ出雲そばを見て「珍しいな」と言うのですが、静岡育ちの私は蕎麦と言ったら信州蕎麦なので、深瀬と同様に『出雲蕎麦が珍しい』んだと受け取っていました。
でも蕎麦アレルギーの広沢由樹が居たので、広沢家では食卓に蕎麦が並ぶことが無かった。
だから「珍しいな」だったんだと読了してから気付きました。
確かに我が子が死んだからといって、アレルギーを持たない両親がそう簡単には食べる気にはならないですよね。
凄いですね・・・こういう細かい部分まで作品を練ってるとは。

それにしても食物アレルギーですよ。
その症状は個人差が有るらしいのですが、重度のアレルギー反応になるとアナフィラキシーショックで命に関わる場合があるとのことで。
食物アレルギーの人にそうと知らずその食品を与えてしまったり、本人も知らずに口にしてしまったりで、殺意がなくても人を死に至らしめることになる場合が有るんですね。
ほんの少しその成分が含まれているだけでもアレルギー反応を起こす人も多いらしいので、冗談抜きで注意が必要です。
『リバース(reverse)』には不運や失敗という意味もあるので、これは深いです・・・
広沢が自分の蕎麦アレルギーを皆に打ち明けていれば、そもそも旅行自体を断っていれば、こんな大惨事は起きなかったのかもしれませんが、そうしなかったのは広沢の優しさで、彼の美点でもあった。
こんな広沢だからこそ皆に愛されていた訳だし。
でもそれこそが仇になるとか。

人生って本当に何が幸いして何が災いするのか・・・
こんな部分にも『リバース(reverse)』を思わせます。
もうイヤミス感ハンパないです!(°д°)

ラストで深瀬だけが広沢を死に追いやった者に気付いてしまうのですが、これを誰かに話すことが出来るんだろうか。
美穂子や古川、広沢の両親に話せるのか?
自分が深瀬の立場だったら・・・と思うと心底恐ろしいです。
これから更に重い罪悪感に深瀬は苦しむのか・・・
衝撃の結末に身震いしました。
やはり湊かなえ作品にハズレなし[かわいい]
後味は悪いですが素晴しい作品だと思います。


ドラマ版も見ているので近いうちに感想を書きたいな[猫][黒ハート]









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